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カテーテル

[2024年4月5日]

ID:1071

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カテーテル検査

血管撮影装置

PHILIPS社 Azurion 2020年5月~
Modality画像1
Modality画像2

PHILIPS社 Arulla 2014年~
Modality画像3
Modality画像4

カテーテル検査について

血管造影検査とは、血管内に細い管(カテーテル)を挿入し、造影剤を用いて目的部位の血管を描出する検査です。この検査により、血管の狭窄・閉塞、血管の形状異常(動脈瘤など)、腫瘍の栄養血管の同定などを行うことができます。また、これらの病変に対し、治療を行うこともできます。
当院では、病変の部位によって2つある血管造影装置を使い分けています。
Azurionでは、X線を受信する部分が大きく、一度に広い範囲を観察することができます。そのため腹部・頭部・下肢などの広い範囲の描出が必要な血管に対して有用です。
Arullaでは、X線を受信する部分は小さいですが、その分X線装置の位置が自由に設定できます。心臓などの複雑な構造の血管でも見やすい位置にX線装置を自由に動かすことができます。そのため心臓などの小さな描出範囲で済む血管に対して有用です。

造影剤について

  1. カテーテル検査では、ヨード造影剤という薬剤を用いて撮影をする場合があります。造影剤を使用するに当たって、稀ではありますが血圧低下やアレルギーなどの副作用が起きる場合があります。
  2. 喘息の既往のある患者さんに関してはこの副作用の起こる確率が既往がない患者さんに比べて高くなるという報告がされています。
  3. 造影剤と糖尿病薬の一部(ビグアナイド系糖尿病薬)との併用で乳酸アシドーシス(血液が酸性に傾く)になる可能性があるため、事前の休薬が望ましいです。
  4. 腎臓の機能が悪い患者さんに関してはあらかじめ生理食塩水の点滴を行い、悪化を予防します。

治療・症例紹介

循環器領域

バルーン拡張術
バルーンカテーテルと呼ばれる風船状のカテーテルを使用し、風船を膨らませることで、狭窄・閉塞に対し血管を拡げて血液を流れやすくする治療法です。
ステント留置術
ステントと呼ばれる金網状の筒を留置し、狭窄・閉塞している部分を押し広げ、狭窄部位に留まることで血管を内側から支える治療法です。
治療部位マーカー
閉塞血管指示(赤点線)
上図では矢印の部分が閉塞しており、右図の赤点線のように本来はあるべきはずの血管が消えています。
そこで閉塞部位に対してバルーン拡張術とステント留置術を行いました。
バルーン
バルーン位置指示(赤枠)
上図はバルーン拡張術を行っている画像です。閉塞があった場所に対して風船を膨らませていることがわかります。
治療後の造影画像
ステント位置指示(赤線)
上図はステント留置後の造影画像です。閉塞していた部分は正常に広がっており、これで治療は完了です。
ステントは位置が分かりにくいですが、右図の赤線のように留置されています。ステントを入れることでバルーン拡張術だけでは広がりきらない部分を押し広げることができます。

脳外科領域

血栓回収療法
脳動脈が血栓(血の塊)などで血流が遮断されている状態に対し、塞栓部位までカテーテルを持っていき、血栓を回収し血流を再開させる治療です。
脳梗塞後造影画像
消失血管指示(赤線)
上図は脳梗塞を発症している方の脳血管です。
右図の赤点線のように本来はあるべきはずの血管が消えており、このままでは致命的な後遺症を残す可能性があります。
血栓吸引画像
血栓吸引後の造影画像
そこで血栓回収術を施行しました。
上図左は血栓を回収している画像であり、上図右は血栓回収を行った後に撮影した血管です。一番最初比べると消失していた血管が造影されており、再灌流(血流が戻っていること)していることがわかります。

脳動脈塞栓術
脳動脈瘤や血管奇形、腫瘍に対して行われる手術です。
動脈瘤では、コイルと呼ばれる針金状の金属やステントと呼ばれる網状の金属で動脈瘤内の血流を抑え、動脈瘤の破裂を予防します。
腫瘍などでは腫瘍を栄養している血管を選択した後、塞栓物質を流して腫瘍への血流を遮断します。これを行うことで外科手術の際に少ない出血量で摘出することができます。

消化器領域

TACE(Transcatheter Arterial ChemoEmbolization)
肝がんに対して行われる塞栓術です。
正常な肝臓は動脈から20%~30%ほどしか栄養は受け取っておらず、残りは門脈と呼ばれる血管から栄養を受け取っています。
対してがん細胞は動脈から100%栄養を受け取っており、動脈を塞栓することでがん細胞のみが栄養不足で死滅していきます。
この栄養血管の違いを利用して行う治療をTACEといいます。

固有肝動脈造影
腫瘍造影写真
腫瘍指示(赤点線)
上図左は肝動脈造影を行った画像です。
ここから少し時間を置いたのが画像真ん中であり、黒く染まっている部分が腫瘍です。
画像右をみてもわかる通り、この方は複数の腫瘍があることがわかります。
塞栓後造影画像
腹部レントゲン画像
そこで栄養している血管を選択し、TACEを行いました。
上図左は最終的な造影画像であり、先ほどまで腫瘍を栄養していた血管は消失していることがわかります。
また、上図右の撮影画像をみてもわかる通り、塞栓物質が腫瘍内にとどまっており、栄養していた血管が塞栓されていることがわかります。

検査の流れ

入室
基本的には入院しているため、検査室の準備が整い次第、アンギオ室へ入室していただきます。

検査・治療準備
検査台の上に寝ていただきます。穿刺部位を消毒し、清潔な布で体を覆います。
検査・治療のために入り口となるシースと呼ばれるカテーテルを挿入するための『さや』を挿入していきます。注射にて穿刺部位に局所麻酔を行い、穿刺部位から血管内に入れます。
検査・治療のために必要な道具を目的部位まで進めていきます。シースを介して挿入されていきますので、痛みはありません。

検査・治療
目的部位へと進めた後、さまざまなデバイスを使用して検査・治療を行います。

止血
検査・治療が終了した後、穿刺部位を圧迫して止血を行います。
安静時間は穿刺部位やシースの太さによって異なります。↓
終了

放射線科からのお願い

  • 撮影の際、呼吸指示をすることがあります。スタッフが指示した通りの呼吸を行うようにお願いします。
  • 検査台は大変狭く、動くと危険です。また、撮影中に動くとブレた画像になってしまうことがありますので、検査中は動かないようにお願いします。
  • 何か不安なことや伝えたいことがあればスタッフまでお申し出ください。