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泌尿器科/診療科・部署のご案内

[2024年4月1日]

ID:90

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泌尿器科

診療の基本方針

 湖東地域の中核病院として、泌尿器科全般を対象に診断から治療まで完結することを主眼に診療を行っています。尿路性器感染症、尿路結石症、排尿障害(前立腺肥大症や神経因性膀胱)、透析療法を含む腎不全、悪性腫瘍などです。特に悪性腫瘍に対してはがん拠点病院として、迅速かつ正確な診断、非侵襲的かつ根治性を併有した手術術式、最新の情報やガイドラインに基づく適切な薬物療法を心がけています。また、放射線科、緩和ケア科とも連携し、QOLに鑑みた治療を目標にしています。

特色ある検査、治療法、医療設備

体外衝撃波結石破砕装置(ESWL)

体外衝撃波結石破砕装置(ESWL)

  1. 尿路結石症
     平成14年に新病院移転以来使用してきた体外衝撃波結石破砕装置(ESWL)が老朽化し、平成28年にストルツ社製砕石装置を導入しました。その他の内視鏡的抽石術と併せて治療可能です。令和4 年度は上部尿路結石症68 例に、のべ 109回の ESWL 療法を施行しました。比較的大きな結石など、ESWL に抵抗性である場合は積極的に内視鏡的抽石術を施行し治療が遷延しないようにしており、良好な成績を残しています。 
     上部尿管から腎盂腎杯の結石に対しても軟性鏡とレーザーを駆使して砕石ができ、硬性鏡による砕石術と合わせて昨年度は60例に行いました。 
     結石ではありませんが、尿管狭窄、尿管腫瘍、特発性腎出血などの診断治療にも内視鏡的アプローチを試みています。
  2. 膀胱癌
     CT、MRI 等と組み合わせて進行度を確認後、経尿道的膀胱腫瘍電気切除術(TUR-Bt)や所属リンパ節郭清を含む根治的膀胱全摘出術を施行しています。令和4年度は TURーBt 70 例と昨年に引き続き多い症例数でした。これは内視鏡手術後、より確実性を期して2nd TURも積極的に行っているからと考えます。また、再発予防目的としてBCGや抗癌剤の膀胱内注入療法も積極的に行っています。進行癌や、再発例に対する全身的制癌化学療法をする機会も増えています。
  3. 前立腺癌
     年齢が比較的若い早期癌の方に対しては根治的前立腺全摘出術をすすめています。手術を希望されない方、手術療法が適応ではない場合は前立腺に対する根治的な放射線照射療法も積極的に採用しています。進行がんや高齢者に対してはホルモン療法が主体となります。また、低リスク癌の場合、すぐに治療をせずPSAの推移を見ながら待機治療をすることも増えてきました。 一方、ホルモン抵抗癌あるいは全摘出術後の再発例に対しては、放射線照射療法、全身的化学療法も行い、患者さんの QOL を保持しつつ、延命を図るようにしています。
     なお、前立腺内に小線源を埋め込む治療が確立され、外照射を組み合わせてこれまで小線源治療の適応外であった局所進行癌にも施行されています。希望される方は滋賀医科大学に紹介しています。
  4. 腎癌
     腎癌は手術以外にはインターフェロンが使われた時期もありましたが、奏効率は決して満足のいくものではありませんでした。最近分子標的薬が数多く開発され、腎癌にも有効な薬が登場しました。現在6種類の分子標的治療薬が承認され、副作用がいろいろあるのですが、効果がみられる症例も経験しています。さらに新たな免疫治療薬が腎癌にも使用できるようになり、治療の選択肢が増えました。
     また、鏡視下手術も積極的に行っており、令和4年度は腎摘16例でした。
  5. 排尿障害(前立腺肥大症、神経因性膀胱等)
     下部尿路造影や膀胱尿道ファイバースコピー(軟性、硬性)に CT、MRI も加えて形態的異常を把握します。一方、尿流動態検査(ウロダイナミクス)にて機能的異常を確認します。薬物療法においては、αブロッカーや抗コリン剤、β3刺激剤がここ数年複数開発され、また前立腺肥大症の治療薬であるデュタステリドが使えるようになり治療の幅が広がりました。さらに平成25年PDE5阻害薬であるタダラフィルが前立腺肥大症の治療薬として承認され、効果が期待されるところです。それでも薬物療法に抵抗する前立腺肥大症には経尿道的前立腺核出術(TUEB)を、また、重度の腹圧性尿失禁には尿失禁防止手術を行うようにしています。
  6. 停留精巣、陰嚢水腫など、小児の疾患
     手術必要例には可能であれば、1 泊ないしは日帰り手術を実施しています。
  7. 血液浄化治療
     通常の血液透析治療のみならず、その他の種々の血液浄化治療を施行しています。血液透析治療に不可欠である内シャントの作成、修復を院内のみならず院外からの紹介も含めて 54 例施行しています。また、シャント狭窄に対するPTAを11例に行いました。
     

専門外来

1.ストマ外来

  尿路系ストマの管理。経験豊富な 皮膚・排泄認定看護師と連携し、ストマに関する種々の問題解決に成果をあげています。ともすれば軽視されがちな患者さんの身体的な問題が容易に解決できるようになり、多くの方から喜ばれています。

2.CAPD 外来

  連続的携行式腹膜透析(CAPD)の患者さんの外来診療を行っています。(第一水曜日午後、)

院外から参加いただける勉強会、症例研究会など

泌尿器科はやや特殊な診療科であり、近隣の諸先生方から、多くの患者さんをご紹介いただいております。文書によるご連絡は可及的、速やかに行うように努力しております。これら患者さんについての、あるいは、広く、泌尿器科全般に関するご質問・ご意見等は随時、電話等でお受けしております。またご来院していただければ、合同回診、フィルム検討等が可能です(できればご予約をお願いいたします)。臨床検討会は毎週、金曜日午後5時 30 分から泌尿器科外来にて開催しております。

医師の紹介

副院長 長谷 行洋(ながたに ゆきひろ) 昭和59年卒業

  • 専門分野・得意疾患
     泌尿器科全般
  • 認定医・専門医等
     日本泌尿器科学会専門医、指導医
  • ひとこと
     良質な医療が提供できるよう心がけます。そのためにもコミュニケーションが大切。何でもおっしゃってください。

部長 佐野 太一(さの たいち) 平成18年卒業

佐野 太一
  • 専門分野・得意疾患
     泌尿器科疾患全般
    (泌尿器がん、前立腺肥大症、尿路結石など)
  • 認定医・専門医等
     日本泌尿器科学会認定専門医・指導医
     がん治療認定医
     泌尿器腹腔鏡技術認定医
  • ひとこと
     ていねいな診察、説明を心がけています。

医員 奥村 勇太(おくむら ゆうた) 平成31年卒業

専攻医 前田 菜々花(まえだ ななか) 令和3年卒業