ごあいさつ
[2025年4月1日]
ID:217
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2025年度からは「新たな地域医療構想」を考える時代に突入します。今後2040年にかけて人口構造はさらに大きく変化し、高齢化率のさらなる増加と働き手世代人口の減少が深刻化することが予想されます。これに伴い医療ニーズも大きく変化し、病気の治療だけではなく、療養介護を含む多様なニーズに対応するための地域医療体制の構築が必要です。病病連携、病診連携、介護福祉連携の深化と地域包括ケアシステムの整備は待ったなしの課題と言えるでしょう。
従来の地域医療構想では、病床機能を高度急性期・急性期、回復期、慢性期に分化し、病床数の確保を中心に議論が進められてきました。しかし、高齢化社会における多様化する医療ニーズに対応し、持続可能な地域医療体制を提供するためには、一つの病院で複数の病床機能を持つことは今後困難となるでしょう。したがって、病院ごとの機能分化を進めることが非常に重要です。
当院は今年度より高度急性期・急性期医療に特化し、回復期・慢性期機能については地域の病院や介護福祉施設との連携をさらに強化することで、湖東地域における地域医療に貢献する方針としました。そのため、地域包括ケア病棟と訪問看護ステーションをなくし、脳卒中に特化した集中治療室(SCU)の増床、通院治療センターの拡充、MRIの増設を行いました。今後も地域の病院、診療所、介護福祉施設との協力体制を深め、地域全体で質の高い医療を持続的に提供するための取り組みを推進していきます。
一方で、病院機能を維持し、質の高い医療を提供するためには職員の確保と育成が非常に重要です。研修プログラムの充実や教育機会の提供はもちろん、互いにリスペクトし合う心的安全性の高い職場を目指し、全ての職員が働きやすい彦根市立病院の実現をめざします。
先日のMRI増設におけるクラウドファンディングには、多くの方々からご支援を頂き誠にありがとうございました。これからも彦根市立病院は湖東地域における中核病院として「住みなれた地域で健康をささえ 安心とぬくもりのある病院」を目指して職員一同努力して参ります。引き続き皆様のご支援とご協力をよろしくお願い申し上げます。
院長 中野 顯
医師の地域による偏在が深刻になっており、当院におきましても医師数の不足から、一部の診療科では診療の制限が余儀なくされている状況が続いています。地域の皆様には、大変ご迷惑をおかけしていますが、まずは近くの「かかりつけ医」をご利用いただき、入院治療や精密検査が必要とされた場合には紹介状を持って彦根市立病院を受診されますよう、お願いいたします。また、休日急病診療所や小児救急電話相談などのご利用もお勧めいたします。
市立病院が現在の専門診療の質を維持していくために、ご利用の皆様のご協力をよろしくお願い申し上げます。
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