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医療安全に対する取り組み

[2025年10月3日]

ID:156

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医療安全の基本方針

 本院は、医療の安全を守り、患者さんとの信頼を築き、「安全かつ良質な医療を提供する」という病院理念に基づいた医療安全活動に努めています。より質の高い医療を提供するため、職員の一人ひとりが患者さんの安全を第1に考え医療安全を自分自身の課題として取り組めるように、安全管理体制の整備・構築,職員への安全教育を実施しています。そして、患者さんが安心安全な医療が受けられるように継続した活動をしています。

業務内容

1.医療安全委員会と安全管理会議、リスクマネジメント部会の開催

 毎月1回、医療安全委員会を開催し、医療安全に関わる重要事項などについて報告・検討しています。また、毎週 安全管理会議、医療安全推進室会議を開催し、インシデント・アクシデント報告、対応・対策の検討を迅速に協議し医療安全に関する重要な事項を審議しています。そして、リスクマネジメント部会は、毎月各部署のリスクマネジャーが介し組織横断的な医療安全活動をおこなっています。

2.インシデント・アクシデント報告の収集・分析、情報管理とその対策。

 レポートシステムを電子化しており、全ての職員は電子カルテと同じ端末から、いつでも何処からでも事例を報告することができます。その報告は、医療安全推進室で収集・分析し、情報管理しています。また、その報告から対策の必要性について検討し実施しています。また、厚労省の医療事故報告事業に参加し、件数報告を定期的におこなっています。

3.医療安全に関する職員への啓発・広報・教育研修の企画と運営

 毎年7月の最終週を「彦根市立病院医療安全週間」と定め医療安全に係わる特別講演やセミナーを5日間開催しています。セミナーでは、各部署・部門から安全に関する活動報告などをおこない、医療安全川柳では毎年テーマを決め各部署からの応募を募りリスクマネージャーより投票された川柳には賞を設け表彰しています。またRST、RRS、iSATに関する研修会を開催しています。

4.医療安全に関する院内ラウンドと現場の実態調査からの安全対策

医療安全推進室メンバーや各部署のリスクマネジャーが定期的に院内ラウンドをして実態調査などを行います。各部署の安全対策手順が守られているかなどの評価をおこないます。

医療安全に対する取り組みの写真

5.医療安全に関する最新情報の把握と周知

 各種の医療安全情報やインターネット等から医療安全に関した情報を収集しています。これらの中から重要な情報は、「安全管理ニュース」として院内に発信し,毎月の日本機能評価機構「医療安全情報」を共有し、本院の状況と照らし合わせて、医療安全委員会やリスクマネジメント部会などを通じて全職員へ提供しています。これらの情報を院内で共有することは、職員の安全意識の向上につながり、事故発生の未然防止につながっていきます。

リスクマネジメント部会2
研修風景3

院内救急対応システム(RRS)のとりくみ

 入院後、病気に対して適切な治療を行っているにも関わらず、病状が悪化し、予期せず心停止や呼吸停止といった重篤な状態に陥る患者さんがおられます。一旦、心停止に陥ってしまうと、予後は極めて悪いのが現状です。院内で急変する患者さんの中には、その数時間前までに血圧、心拍数、呼吸回数、意識レベルの変化がみられるという研究結果が報告されています。この変化が起こってから心停止に至るまでのあいだに、患者さんの状態変化を発見し、集中治療室での管理などの必要な治療を行い、心停止の発生を防ぎ患者さんの予後を改善することが、Rapid Response System (RRS)の目的です。2015(平成27年)4月からいち早く運用を開始しております。2025年(令和7年)4月からは、24時間・365日体制へ変更し、よりタイムリーに活動できるよう体制を整えています。

中野医師の講演
院内の勉強会
院内勉強会

ドクターコールについての活動

  • 院内ドクターコール(コードブルー)が整備され実践しています。ドクターコール全ての症例について検証会を実施し発生前・中・後で振り返り問題点や改善点を導き各所属での課題や教育に関与しています。

リンクナースの活動

  • 各病棟の救急カート内容の整備
  • 病棟での急変患者症例の共有
  • 病棟看護師を対象とし、救急カート内の薬剤についてのテスト実施
  • 緊急入院患者の入院時重症度評価
  • 病棟での急変対応についての学習会
  • 各病棟での患者の急変対応についての問題点を抽出

呼吸ケアサポートチーム(RST)のとりくみ

「RST(Respiratory Support Team:呼吸ケアサポートチーム)の力で、院内の人工呼吸器管理をより安全に!」
RSTは、毎週水曜日にRSTラウンドを行います。院内の人工呼吸器管理が、安全に行われているかを確認し、必要なケアを行います。メンバーは、医師(呼吸器科、循環器科、歯科口腔外科、麻酔科)、看護師、臨床工学技士、理学療法士、管理栄養士、臨床検査技師、歯科衛生士で構成されています。人工呼吸器管理による患者さんの苦痛を最小限にするように、また呼吸器からの早期離脱を目標に、病棟看護師や他職種スタッフへサポートも行います。RST主催の勉強会も積極的に行い、院内の呼吸ケアの質の向上を目指します。

呼吸ケアサポートチーム(RST)のとりくみ
呼吸ケアサポートチーム(RST)のとりくみ2

1.活動内容

  • 定期的なラウンドを行い、院内の人工呼吸器管理が安全に行われているかを確認し、必要なケアの提供を行う
  • 人工呼吸器管理による患者の苦痛を最小限にし、人工呼吸器からの早期離脱を目標に、病棟看護師や他職種スタッフへサポートを実施する

  • 院内看護師の人工呼吸に関する教育的視点から、RSTリンクナースがRSTラウンドに同行するよう調整する

  • 呼吸ケアに関連するコンサルテーションに随時対応し、院内の呼吸ケアの質向上と患者のQOL向上を目指す

  • 院内スタッフが呼吸関連の知識や技術を向上できることを目的とした勉強会など教育を行う

一般病棟におけるRSTラウンドの実際(人口呼吸器ケアについて病棟看護師への実践アプローチの様子)

実践アプローチの様子
実践アプローチの様子2

院内発症脳卒中対応チーム=iSATの取組み

院内発症脳卒中対応チーム(in-hospital stroke action team:iSAT)
脳卒中は、脳梗塞・脳出血・くも膜下出血の3つの病気からなり、いずれも意識障害、麻痺や痺れなどが突然起こり、重篤な後遺症を残すことのある病気です。特に脳梗塞は、発症から早期であればあるほど血栓を溶かす治療(血栓溶解療法:t-PA)や、カテーテルで血栓を取り除く治療(血栓回収療法)により症状の改善が見込まれており、これらは時間との戦いでもあります。入院中の患者さんが、病院内で脳梗塞を発症する場合もありそうした患者さんの早期に対応できるようにトレーニングされたチーム活動、チーム医療の実践です(2020年から部署活動開始し2023年に医療安全チームとして参加)

 (院内発症脳卒中対応チーム(略してiSAT)の目的) 

1:院内発症脳卒中に迅速に対応できる

2:発症後できるだけ早く患者の病態に合った脳梗塞治療が開始できる

3:早期発見、治療について院内での啓発活動を行う