臨床検査科(医療技術局)/診療科・部署のご案内
[2024年1月4日]
ID:137
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皆さんは体の不調を訴えて病院に来られた際、採血や検尿さらには心電図などの検査を受けられた経験はあるでしょうか?簡単に説明しますと、臨床検査とはそういった患者さんの病気の診断や治療に役立てる検査のことをいいます。
臨床検査にはそれらの特徴から大きく分けて3つの部門に分かれています。患者さんから採取した血液や尿などを分析機器で調べる検体検査部門、心電計や超音波検査装置等を使い、患者さんの身体に直接ふれて体内の変化を調べる生理機能検査部門、および身体の一部より採取した細胞や組織の標本を作り、顕微鏡で病気の診断を行う病理検査部門です。
病院などの医療機関において種々の臨床検査を行う専門家のことを臨床検査技師といい、国家試験に合格した者のみに与えられる資格です。臨床検査と一口にいっても、実にさまざまな分野に分かれています。臨床検査技師は、それら各々の専門分野を担当し、患者さんのお役に立てるよう日夜仕事に励んでいます。また、各専門分野別に定められた認定技師資格等を取得するなど、質的向上にも努めています。
科長:樋口武史(ICMT、認定臨床微生物検査技師、専門領域:臨床微生物・感染制御)
臨床検査技師:28名(常勤技師24名、会計年度任用職員4名)、看護師:4名(会計年度任用職員)外来採血室
【各種資格】
要員の技術向上、人材育成に努める。
患者ケアに影響を及ぼす可能性のある不適合を減少させる。
(a) 患者さんから採取された検体は、所定の期間保管し、適切に廃棄します。
(b) 残存検体を無断で二次利用することはございません。
(c) 医学研究および検討目的に利用する場合、当院臨床倫理委員会の方針に従います。生化学的検査とは、患者さんから採取した血液、尿、体腔液などに含まれるさまざまな成分を測定し、臓器の異常や疾患の有無を推測するための検査です。
主な検査項目
免疫血清検査は各種感染症検査、内分泌系検査、腫瘍マーカーおよび血中薬物濃度などを測定する検査です。当院では2台の自動免疫分析装置を使用し、装置毎に適した測定項目を選択し、信頼性の高い検査を実施しています。また、比較的検査所要時間の長い検査ではあるものの、なるべく検査待ちの時間を短縮できるような結果報告システムを構築しています。
主な検査項目
血液学的検査では、血液の中に含まれている赤血球や白血球および血小板などを測定することで貧血の程度や血球の量的異常を調べる血算検査と、顕微鏡を用いて血球形態の観察を行い、白血病等の血液疾患の病態把握や治療効果の判定を行う形態検査を行っています。人体は傷口などから出血を起こした場合、血液の損失を防ぐために血栓という蓋を形成する働きがあり、これを凝固機能といいます。また、傷口が修復した場合には血栓を溶かして元通りにする線溶機能があります。この凝固と線溶のバランスを調べるのが凝固・線溶系検査であり、凝固異常症のスクリーニングや治療薬のコントロールなどに利用されます。当院の血算検体は外来・入院あわせて一日500件ほどあり、3台の自動血球計数装置によって迅速に報告することが可能です。また、自動再検システムを構築することで、客観的で信頼性の高い結果を報告できるよう心掛けています。
主な検査項目
輸血管理室では、血液型や不規則抗体検査といった輸血に必要な検査を実施しており、緊急輸血などに対応すべく24時間体制で検査および血液製剤管理を行っています。自動輸血検査装置と技師の確認検査によるダブルチェック体制や、輸血管理システムを用いた総合管理により安全な輸血医療に貢献しています。また、外傷性大量出血や出血リスクの高い手術において、効率的に止血に寄与するとされるクリオプレシピテートの院内調製を2017年より導入しました。地域の二次救急医療の中核を担う病院として、今後も新たな技術を取り入れ医療の充実を図ってまいります。
一般検査室では、尿検査、便検査、髄液検査、穿刺液検査、イムノクロマト検査等を行っています。
1.尿検査2.便検査
微生物検査は、主に患者さんから採取されたさまざまな材料から細菌を培養し、感染症の原因となる細菌かどうかを調べる検査であり、主に3つの検査に分かれます。
1.塗抹検査
検査材料を直接ガラスに取り、菌を染め分けることのできるグラム染色をして顕微鏡で鏡検し、原因菌の推定をします。
2.培養・同定検査
検査材料に応じて培地(微生物の生育に必要な栄養素が含まれているもの)を選び培養し、病原性のある菌かどうかを調べます。
3.薬剤感受性検査
検出された感染症の原因菌に対してどの様な抗菌薬が有効かを調べる検査です。特に抗菌薬の効きにくい耐性菌か否かの判定は重要な意味を持ちます。
4.院内感染防止対策
院内で発生した細菌感染症の遺伝子型を調べ、院内感染防止に努めています。
生理機能検査部門では、患者さんの心臓、血管、肺、脳や末梢神経、聴力等、多岐にわたる生体検査を行っています。また、臨床医との超音波画像カンファレンスや心臓リハビリテーション、術中神経モニタリングなど、さまざまなチーム医療にも積極的に参加し、高度な検査を提供していくよう努力しています。
1.循環器機能検査
2.呼吸機能検査
3.各種超音波検査
4.神経生理機能検査
病理検査部門は病理診断科と併設され、患者さんから採取した細胞や組織を顕微鏡で観察し、病気の最終診断を行っています。病理検査には大きく分けて『病理組織検査』、『病理細胞検査』、『病理解剖』があります。
1.病理組織検査
内視鏡や手術で採取された組織から顕微鏡標本を作製し、良悪性の鑑別や病変の広がりなどを診断します。診断は病理医が行います。
2.病理細胞検査
尿や子宮頚部、乳腺や甲状腺などの細胞から顕微鏡標本を作製し、悪性細胞の有無を診断します。組織検査と比べ、患者さんへの負担が少ないので、繰り返し検査を行うことができます。診断は、日本臨床細胞学会が認定する細胞検査士の資格を持った臨床検査技師と細胞診専門医とで行います。
3.病理解剖
病気で亡くなられた患者さんの死因を明らかにし、病気の進行状況や治療効果などの判定を行います。執刀は病理医が行い、臨床検査技師はその介助を行います。病理解剖の結果は、年間2~3回開催される院内臨床病理検討会(Clinicopathological conference:CPC)にて、臨床医を含め多くの関係者と共有され、後学に役立てています。
検査科受付の隣に位置し、一日平均200人の外来患者さんの採血を看護師と臨床検査技師が協力して行っています。朝は最大5台の採血台を稼働させ採血待ちの時間を軽減させるとともに、採血管準備装置とバーコードによる認証を行い間違いのないスムーズな採血を心掛けています。
臨床検査科のことを少しでもお分かりいただけたでしょうか?臨床検査は病気の診断や治療を行うためには不可欠な部門であり、医師や看護師、他のコメディカルスタッフと同様に、常に患者さんが第一であるという気持ちで、日々業務に取り組んでいます。
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