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全内視鏡下脊椎手術

[2024年1月15日]

ID:1047

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全内視鏡下脊椎手術とは

 FESSはPELD(もしくはPED)と呼ばれていた患者さんへの負担が少ない脊椎手術と同様の用語です。以前は腰の椎間板ヘルニア手術だけに行っていましたが、近年は手術療法が進歩しFESSは腰椎だけでなくすべての脊椎、そしてヘルニアだけでなく狭窄症や椎間板内治療などさまざまな病態を治療できるようになり名称が変わりました。

従来法との比較におけるFESSの利点

局所麻酔下手術、従来の8分の1ほど切開

 この手術の最大のメリットはなんと言っても局所麻酔下においてわずか8mm切開で手術が可能であることです。局所麻酔下の手術であるため術後2時間後には歩行が可能であり、当院では手術翌日の退院が可能です。

また術後の創部痛も従来の手術(50〜60mmの皮膚切開)と比較し小さいため、早期の社会復帰、スポーツへの復帰が可能となっており、高齢者の体にも大変優しい手術となっております。また従来法では全身麻酔が必要であったため、これまでに内科合併症のため手術が不可能であった方も手術が可能となりました。

8mmの皮切で手術可能

-全内視鏡下脊椎手術-
8mmの皮膚切開
局所麻酔手術
術後2時間で歩行可能
最短で翌日退院

手術の流れ

 全内視鏡下脊椎手術は、局所麻酔下に約8mmポータルを1箇所、経椎間孔的に作成し、内視鏡を挿入します(Transforaminal approach)。他の内視鏡下手術と同様に、生理食塩水で灌流しながら無血野で手術を行えます。必要に応じて3mmのハイスピードドリルで骨を削り、鉗子でヘルニア、黄色靭帯などを切除します。途中、出血があれば、ラジオ波バイポーラで止血を行います。硬膜の拍動、神経根の圧迫の解除などをメルクマールとして手術を終了とします。術後ドレーンを翌朝まで留置します。術後2時間後には歩行訓練を行い、問題がなければ翌朝退院が可能となります。術後体幹トレーニングなどのリハビリテーション指導を希望される方は1週間程の入院を薦めております。

実際の鏡視画像
ハイスピードドリルで骨を掘削

適応疾患

腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、椎間板症、慢性腰痛症

 当院では以前までMEDを行ってましたが、さらに低侵襲なFESSを導入しました。 8mmのカメラの中から手術器具を挿入し、ヘルニアを摘出します。局所麻酔による手術のため、手術時間は40〜60分程です。ほとんど出血はなく、傷口は8mmで抜糸も必要ありません。

FESSとMEDの比較

 これまでPEDでは腰の椎間板ヘルニアしか治療ができませんでしたが、技術の進歩に伴いFESSでは腰部脊柱管狭窄症の治療も可能となりました。現在は局所麻酔のみで神経根の除圧、骨の掘削がここまでできるようになりました。

High signal intensity zone 椎間板内の亀裂      椎間板内

 慢性腰痛症の原因として椎間板性腰痛が存在します。High signal intensity zone (HIZ)(椎間板の高輝度変化)や椎間板造影時の亀裂は椎間板性腰痛と関連があると言われております。正常な椎間板には血管がありませんが、炎症が起こっている椎間板は出血しており黄色の矢印のように赤く見えます。この部分を内視鏡下にラジオ波で焼灼すると腰痛が改善します。


当院では最新の内視鏡を持ちいた脊椎固定術も行っております。当院は滋賀県では当院でのみこの手術が可能な施設です。(2024年1月現在)

当院でFESSを受けるメリット

完全保険診療、術中麻酔科管理

 滋賀県ではFESSを行っている施設がほとんど無く、施設によっては保険診療が効かない施設もありますが当院は完全保険診療制ですので費用に関しても問題なく手術が行えます。局所麻酔と聞くと本当に鎮痛や術中管理は大丈夫か不安に思われる方もみえると思いますが、術中の管理は当院麻酔科医師が行うため鎮痛・鎮静も適切な状態であり、術中患者様に苦痛はありません。