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HTLV-I陽性といわれたら(その1)/病院からのお知らせ

[2018年8月21日]

ID:133

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HTLV-I陽性といわれたら(その1)

1.HTLV-Iが陽性とは?

これはあなたが、ヒトの白血球に感染するHTLV-I(成人T細胞性白血病ウィルス)というウィルスに感染している可能性があるということを意味します。しかし、HTLV-I陽性が即、成人T細胞性白血病ということではなく、大部分の方はHTLV-Iを体の中に持っていても発病しません。これを専門用語で持続感染者(キャリア)と言います。
すなわち、HTLV-I感染者のうちのほんの一部の人だけが発病し、大部分の方は、何の発病もなくその一生を過ごす事ができます。
したがって、体調に変化がなければ、年に一度の健診さえ受けていただけたら安心です。

2.どうして感染がおこるのか?

授乳・性交渉により感染します。

  1. 母乳による感染
     母子感染は妊娠中の経胎盤感染もありますが、HTLV-Iキャリアの母親の母乳の中には白血球の一種のリンパ球が含まれており、このリンパ球のなかにHTLV-Iが存在し、この母乳を飲むことにより感染します。最近のデータでは長期授乳による母子感染は約20%程度といわれています。しかし、断乳により大部分は感染の防止が可能です。
     現在では、お産の際にHTLV-Iの検査を行い、母親がキャリアであれば、赤ちゃんには母乳を飲ませなければ、母親から赤ちゃんへの感染は100%防止されています。母子感染での予防が続けば、若年者のHTLV-Iキャリアは今後も減少すると思われます。
  2. 性交渉による感染
     夫がHTLV-Iキャリアの場合、性交時に夫の精液中のリンパ球に感染しているHTLV-Iが妻へ感染することを言います。夫婦間の性交渉での感染は、10年間でHTLV-I抗体陽性の妻から夫へは極めて稀で(0.4%)あり、同じくHTLV-I抗体陽性の夫から妻へは60%でした。妻に感染しても子供への感染は上述のように防止可能です。また、性交渉感染はコンドームを使用することで感染防止が可能です。しかも、成人してからの感染の場合、成人T細胞性白血病の発症についての報告はありません。いずれにしても、ウィルスが入ったからといっても必ずしも感染するものではありません。
  3. 輸血による感染
     献血の際の検査のひとつにHTLV-I抗体検査を行い、HTLV-I抗体を保有するキャリアの血液は輸血には使用しません。そのため現在では輸血による感染は全く有りません。
     続きは(その2)をご覧ください。