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鉄欠乏性貧血といわれたら/病院からのお知らせ

[2017年6月23日]

ID:126

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鉄欠乏性貧血といわれたら

1.鉄欠乏性貧血とは?

鉄欠乏性貧血は、さまざまな原因により体内の鉄分が不足し、その結果、全身に酸素を運んでくれるヘモグロビンという要素が減ることにより、貧血症状を起こしてくる病気のことです。

2.原因は?

  1. 偏食のために鉄分を豊富に含んだ食品を十分に摂取できない。
    (ア)著しいダイエット
    (イ)不規則な食生活(朝食を食べない)など
  2. 一応摂取はされても、消化器系(胃・小腸・大腸など)の病気のため吸収が十分行われない。
  3. 摂取・吸収には問題はないが、どこかに出血を来たす病気があるために鉄分が不足してくる。
    (ア)消化器系疾患(胃・十二指腸潰瘍、大腸ポリープ、痔など)
    (イ)婦人科系疾患(子宮筋腫など)
    (ウ)悪性疾患(胃・大腸がん、子宮がんなど)

3.症状は?

ゆっくり貧血が進行した場合には、身体が徐々に貧血状態に慣れていくために、特に症状がなく、血液検査で偶然みつかることが多いです。しかし、貧血の程度が強くなってくると、顔色が悪く、疲れやすくなります。一方、消化器系の出血などによって、急に貧血が進行した場合には、動悸、息切れ、疲れやすさなどの症状が認められます。

4.治療方法は?

軽度の貧血の場合には、食生活を規則正しくして、無理なダイエットや偏食をなくすようにしましょう。
さらに進行した貧血の場合には、鉄剤の内服治療が必要になります。1日1ないし2回のお薬の服用をします。一般には、貧血が改善したあとも数ヶ月間の内服を続けることが必要です。
鉄剤は、嘔気・食欲不振・下痢などの副作用を自覚することがあります。(約20%)そのような場合には、鉄剤の注射で治療することも可能です。
また貧血が改善してもその人の体質によっては、1年ないしは数年後に再び鉄欠乏性貧血になる場合があります。必ず1年に1回は定期健診を受けましょう。

5.注意点

成人になってからの鉄欠乏性貧血は悪性疾患が原因となることがあります。したがって、貧血の治療をしていくと同時にその原因も詳細に調べていくことが大切です。特に食道・胃・大腸さらに女性の場合は婦人科領域の検査を行っていきます。
わからないことがありましたら、納得できるまで担当医に聞いてください。
彦根市立病院 内科(血液)