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脳神経外科だより-クモ膜下出血は予防できるか?その2-/病院からのお知らせ

[2017年6月23日]

ID:105

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脳神経外科だより-クモ膜下出血は予防できるか?その2-

その2:脳動脈瘤

脳動脈瘤の画像
脳動脈瘤は、脳の動脈の壁が風船のように膨れてできる瘤(こぶ)のことです。壁が薄くなった結果、突然破裂して出血を起こします。脳動脈瘤のできる原因は、生まれつき脳の血管に弱い部分があり、そこが年齢とともに膨れて大きくなるためだと考えられています。ほとんどの場合、脳動脈瘤そのものに自覚症状はなく、破裂し出血してから初めて気付くことになります。
現在、脳動脈瘤を見つける検査には、MRA、3D-CTA、脳血管造影撮影があります。
MRAは、MR(磁気共鳴装置)を使って脳血管だけを描写する方法です。この検査は放射線を浴びず、人体には無害である反面、細かな部分までは見られません。このため、主に外来でのスクリーニング(※)に利用されており、脳ドックで使われるのもこれがほとんどです。しかし、心臓ペースメーカーをつけている人など検査のできない場合があります。
3D-CTAは、CTスキャンを使って、非常にリアルな立体画像を作り出す技術です。当院でもこれを始めていますが、この検査の欠点には、手間がかかり、たくさんの数をこなせないこと、造影剤を使用しなければならないことがあります。また、検査対象の範囲を絞らねばなりません。
総合的に脳血管を評価しようとすれば、現在でも脳血管造影撮影が行われます。これは、カテーテル検査と呼ばれる検査で、実際に動脈の中に管を通し、造影剤を注入して放射線連続撮影を行うものです。入院しなければならず、他の検査に比べると患者さんへの負担が高くなります。むやみに行う検査ではありませんが、手術を前提にしたときには、欠かせない検査でもあります。
検査の特徴を考慮すると、MRAでスクリーニングを行い、疑わしい場合には、入院して脳血管造影撮影を行うことが現在最も一般的な方法です。当院では、脳神経外科の外来で相談していただければ、必要な検査の相談に応じることができます。(※スクリーニング:病気の選別)
続きはその3をご覧ください。